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Microsoft Teams上で会話できるボット、”きみつちゃんbot”が誕生するまで#セキュリオ開発インターンを通して学んだこと

この記事は、2026年卒の学生を対象に開催した、セキュリオ開発チームのインターンシップに関する記事です。
今回は、Azure OpenAIを用いたTeams上で会話ができるbotの開発過程、セキュリオのメインキャラクターのきみつちゃんのチャットbotの制作秘話についてインタビューしました。


プロフィール

高橋 俊介 早稲田大学基幹理工学部情報通信学科3年生。
幼少期から中学までは野球、高校時代はハンドボール部に所属していた。最近は、バイクでツーリングをするのにハマっており、横浜や山中湖など近隣で自然が豊かな場所に行くことがすき。映画・読書もすき。

“きみつちゃんbot”が誕生するまで - 3週間のインターンで取り組んだこと

Azure OpenAI ServiceとTeams Toolkitを用いて、Microsoft Teams上で"きみつちゃん"とお喋りできるbotを実装しました。

“きみつちゃん”とは?

セキュリオのメインキャラクターのうちの1人。このキャラクターたちは、従業員の方が「情報セキュリティ」をもっと身近に感じることで、しっかり情報セキュリティ対策に取り組めるようにするため、誕生しました。
「情報セキュリティの3要素である機密性・完全性・可用性」を擬人化して、3つの要素がそれぞれ支え合い、対話している様子を表現しています。
右下の長いまつげが特徴的なのが、きみつちゃんです。

開発工程

きみつちゃんは大きく「日常会話」「データを用いた会話」をすることができます。
Teams上で、きみつちゃんに話しかけるとApp Serviceがホスティングの役割を果たし、その入力内容を受け取ります。そこから、Azure OpenAI Service(言語モデルにはGPT-4o miniを利用)のAPIを呼び出し、入力内容に対する回答を生成してもらい、AppServiceを再度経由しTeams上で回答が出力される仕組みです。

日常会話

引用元:高橋 俊介さん サマーインターン成果発表資料

きみつちゃんボットの開発は基本的に1人で調べながら取り組んでいきましたが、きみつちゃんの基本的なコンセプト(話し方やキャラクター設定)については、本キャラクターを手掛けたデザインチームにヒアリングを行い、プロンプトの調整と定性的な評価を繰り返し行いながら、完成像をつくっていきました。

データを用いた会話

引用元:高橋 俊介さん サマーインターン成果発表資料

質問内容が学習されたデータに関連する場合、Azure OpenAIのAPIに加えて、Retrieval-Augmented Generation(RAG)の手法を用いてAzure AI Searchでデータを探索します。あらかじめ格納データを解析し、該当するデータの上位N件をプロンプトに追加してAzure OpenAIに送信します。これに基づいた回答をAppServiceに返し、Teams上で「きみつちゃん」の回答として表示されます。

インターンを通して学んだこと

クラウドサービスの活用
これまでAWSを使った開発はあったけれども、Azureを使ったインフラ構築は初の試みでした。AWSとはUIや考え方が異なる部分が多く、操作方法に慣れるまでに時間を要すことはありましたが、Microsoft社の公式ドキュメントを見ながら着実に学びながら進めることができ、貴重な経験となりました。

業務でのエラーへの向き合い方
きみつちゃんの開発にあたって、Microsoft社のTeams ToolkitとAzureをフル活用しましたが、初めて利用するツールだったこともあり、作業を進めていく中で多くのエラーに遭遇しました。
しかし、自分がどこでつまずいているのか現状を把握したうえで、CTOの本田さんと一緒に考えながら1つずつ問題を解消していきました。
解決に向けて周りを巻き込みながら少しずつ前に進むことの重要性とマインドを学ぶことができました。

技術職として働くということ
開発インターンへの参加は、初めての経験でした。アジャイル開発のプロセスを学びながら、スクラムやスプリントレビューといったミーティングにも実際に参加し、チームメンバーが行うデモを通じて、各自のタスクの進め方を学ぶことができました。また、他チームの作業の進め方を観察し、どのようにしてタスクを完了させていくのかを理解する良い機会にもなりました。

インタビューへのご協力ありがとうございました。また、3週間のインターンお疲れさまでした!